ポイント・マイル・プリペイド残高は相続できる?各社の規約を読み比べ|亡くなったら消えるポイントと、家族に残せるマイル・残高

ポイント・マイル・プリペイド残高は相続できる?各社の規約を読み比べ|亡くなったら消えるポイントと、家族に残せるマイル・残高

ポイ活でためたポイントやマイル、チャージしたプリペイド残高は、持ち主が亡くなるとどうなるのでしょうか。

結論から言うと、楽天ポイント・dポイント・Pontaポイント・Vポイント・PayPayポイントのようなポイントは、相続できずに消えると考えたほうがいいです。一方で、ANA・JALのマイルは、法定相続人が手続きをすれば引き継げます。楽天キャッシュ・PayPay残高・モバイルSuicaなど、お金でチャージした残高は、相続人に返金してもらえます。

各社の規約と民法のルールを読み比べて、家族が困らないために何をしておけばいいかをまとめました。内容は2026年10月10日に各社の規約・公式ページで確かめたものです。

結論:共通ポイントは消える、マイルは相続できる、プリペイド残高は返金される

亡くなったら規約の根拠生きているうちに家族へ
楽天ポイント相続の定めなし。会員でなくなるとポイントの権利を失う楽天ポイント利用規約 第13条他の会員への譲渡はできない
dポイント相続が起きると会員資格を失うと明記dポイントクラブ会員規約 第10条会員どうしで譲渡できる
Pontaポイント死亡の定めなし。退会するとすべて失効Ponta会員規約 第1条・第4条人に渡せない。au・UQ mobileで請求をまとめた家族には、auの「Pontaポイントをおくる」で送れる
Vポイント死亡の定めなし。退会すると失効。三井住友カードは「退会すると、ポイントは失効」と案内ポイントサービス利用規約 第5条三井住友カードの家族ポイントで分けられる
PayPayポイント相続の対象外とPayPayが明記PayPayヘルプ「PayPay残高の相続手続きについて」—
ANAのマイル法定相続人が相続できる(亡くなった日から180日以内)ANAマイレージクラブ会員規約 第21条特典航空券を家族のために使える
JALのマイル法定相続人が相続できる(e JALポイントも)JALマイレージバンク一般規約 第14条特典航空券を家族のために使える

共通ポイントの規約には「相続できる」という定めがなく、どれも本人だけが使えるもので、人に渡せない決まりになっています。持ち主が亡くなって会員でなくなれば、ポイントも一緒に消えます。マイルを相続できるのは、ANAとJALがわざわざ手続きを用意しているからです。

楽天ポイント:会員でなくなると、ポイントの権利を失う

楽天ポイント利用規約には、亡くなったときの扱いを直接書いた条文はありません。ただ、次のように決まっています。

  • 第13条:会員が会員の地位を失った場合は、保有するポイントと、ポイントの利用に関する一切の権利を失う
  • ポイントは、ほかのアカウントに移したり、ほかの会員に譲渡したりできない(楽天が指定する場合を除く)

楽天会員規約でも、アカウントや契約上の地位を第三者に譲渡・貸与することは禁止されています。亡くなった人の楽天IDに家族がログインしてポイントを使い切る、というのは規約が想定している使い方ではありません。

dポイント:「相続事由が生じた場合」は会員資格を失う

6つの中で、相続をいちばんはっきり書いているのがdポイントです。dポイントクラブ会員規約の第10条(会員資格の喪失事由等)に、「dポイントクラブ会員に相続事由が生じた場合」は会員資格を失うとあり、ポイントは回線契約を解約したときの扱いに準じて失効します。

一方で、dポイントには会員どうしでポイントを譲渡できる仕組みがあります(規約第4条)。渡す人・受け取る人とも、ドコモの回線契約者か、本人確認を済ませた会員であることが条件です。生きているうちなら、家族にポイントを渡せます。

Pontaポイント:退会すると全部失効。渡せるのはauの家族だけ

Ponta会員規約にも、亡くなったときの扱いは書かれていません。決まっているのは次のことです。

  • 第1条:会員証・会員ID番号は本人だけが使える。会員証や、たまったポイントを第三者に譲渡・貸与することはできない(Pontaの所定の手続きによる場合を除く)
  • 第4条:退会した時点で、ポイントの残高はすべて失効。ためる・使うのどちらもないまま1年たったときも失効

規約の「所定の手続き」が何かは書かれていませんが、au・UQ mobileで請求を1つにまとめている家族なら、auの「Pontaポイントをおくる」でポイントを送れます(送る人・受け取る人とも、au IDとPonta会員IDの連携のしかたがそろっていることが条件)。ほかの人に渡す方法は、公式の案内では見つかりませんでした。

Pontaの退会はPontaカスタマーセンターで受け付けています。クレジット機能付きのPontaカードは、カード会社での手続きになります。

Vポイント:退会すると失効。三井住友カードの家族ポイントなら分けられる

Vポイントの規約(V会員規約・ポイントサービス利用規約)にも、亡くなったときの定めはありません。ポイントサービス利用規約 第5条で、会員を退会したらポイントは失効すると決まっています。

三井住友カードの「カード会員さまがお亡くなりになった場合の退会(解約)」のページでも、「退会すると、ポイントは失効しますのでご利用いただけません」と案内されています。このページから、配偶者・親族はインターネットで退会の手続きができます。

生きているうちなら、三井住友カードの家族ポイントに登録した2親等以内の家族どうしで、Vポイントを分けられます(1か月に10万ポイントまで。分けたあとは取り消せません)。家族ポイントは、対象のコンビニ・飲食店での還元率も上がる仕組みです。くわしくは、こちらにまとめました。

関連記事三井住友カードは対象のコンビニ・飲食店で最大8%還元|スマホのタッチ決済のコツと、さらにポイントを上げる条件まとめ三井住友カード(NL)やOliveフレキシブルペイを、対象のコンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済かモバイルオーダーで使うと最大8%還元。カード現物のタッチ決済は対象外になったことや、対象店舗の一覧、家族ポイント・Vポイントアッププログラムでさらに上げる条件を1級FPがまとめました。

ANAのマイル:亡くなった日から180日以内に申請

ANAは、会員が亡くなったとき、マイル口座に残っている有効なマイルを法定相続人が相続できると、会員規約 第21条で決めています。

  • 受付期間:亡くなった日から180日以内。180日以内に必要な書類が全部そろっている状態で申請したものに限る
  • 申請:「退会届・マイル相続申請書」と「チェックリスト」を印刷し、書類のコピー2点と一緒に郵送
  • 必要な書類:亡くなった日と相続人の続柄がわかるもの(6か月以内に発行された戸籍謄本・戸籍抄本・法定相続情報一覧図のどれか)と、相続人の本人確認書類
  • 相続人がANAマイレージクラブに入っていなければ、先に入会する
  • 亡くなった人のカードがクレジット機能付きなら、先にカード会社で退会する
  • 代理申請・分割相続はできない。相続できるのは手続きが終わった時点で有効なマイル。失効したあとは申請できない
  • 相続したマイルの有効期限は、手続き完了から最長36か月後の月末まで

JALのマイル:e JALポイントも相続できる

JALも、会員が亡くなったとき、法定相続人はマイル口座に残る有効なマイルを相続できると、JALマイレージバンク一般規約 第14条で決めています。

  • 申請:「合意書」と「退会届(マイル相続用)」を印刷し、亡くなった人の除籍謄本または戸籍謄本(コピーで可)と一緒に郵送。法定相続情報一覧図でも手続きできる
  • 相続人が亡くなった人と同じ戸籍にいなければ、相続人の戸籍謄本も必要
  • 相続人がJALマイレージバンクに入っていなければ、先に入会して、9桁のお得意様番号を合意書に書く
  • 亡くなった人がクレジット機能付きのJALカード会員なら、先にJALカードを退会する(退会の前に送っても受け付けてもらえない)
  • 相続できるのは、書類を投函した日(消印日)に有効なマイル。有効なe JALポイントも相続の対象
  • 相続したマイルの有効期限は手続き完了日の36か月後の月末、e JALポイントは12か月後の月末まで

ANAのような受付期間はJALのページに書かれていませんが、マイル自体の有効期限が過ぎれば消えてしまうので、早めに手続きしましょう。

クレジットカード付きなら先に退会
相続人が入会
申請書と戸籍をそろえる
まとめて郵送
相続人の口座にマイルが移る
マイルを相続する順番(ANA・JAL共通)。ANAは亡くなった日から180日以内に、書類が全部そろった状態で申請する。郵送のあと、ANAは約2週間、JALは書類の確認後約1週間で完了

参考:楽天グループ「楽天ポイント利用規約」、楽天グループ「楽天会員規約」、NTTドコモ「dポイントクラブ会員規約」(2026年7月1日実施)、ロイヤリティ マーケティング「Ponta会員規約」、Ponta「Pontaの退会方法を教えてください」、au よくあるご質問(Pontaポイントを家族におくる)、「ポイントサービス利用規約」(2024年4月22日改訂版)、三井住友カード「カード会員さまがお亡くなりになった場合の退会(解約)」、三井住友カード「家族ポイント」、ANA「マイルの相続」、JAL「各種お手続き(マイルの相続)」

楽天キャッシュ・PayPay残高・交通系ICの残高は、相続人に返金される

ポイントと違って、お金を払ってチャージした残高は、相続人が手続きをすれば返金してもらえます。ただし、そのまま引き継いで使えるわけではなく、払い戻し(返金)という形です。

亡くなったら根拠
楽天キャッシュ相続させることはできないが、正当な相続人に、振込手数料を引いて返金。基本型・プレミアム型とも楽天キャッシュ利用規約 第6条
PayPay残高PayPayマネー・PayPayマネー(給与)・PayPayマネーライトは相続の手続きができる(振込手数料300円)PayPayヘルプ「PayPay残高の相続手続きについて」
モバイルSuica代理の人が退会(払いもどし)して返金を受けられるモバイルSuica よくあるご質問
モバイルPASMO代理の人が退会・払いもどしの手続きをして返金を受けられるモバイルPASMO よくあるご質問

プリペイドの残高は、ふだんは払い戻しが禁止されている

楽天キャッシュの基本型や交通系ICのような前払い式の残高(前払式支払手段)は、資金決済法で、原則として払い戻しをしてはいけないことになっています(資金決済法20条5項)。ただし、払い戻しの額が少ない場合や、持ち主のやむを得ない事情で使うのが著しく難しくなった場合などは例外として認められています(前払式支払手段に関する内閣府令42条)。各社は、この例外の範囲で、亡くなったときの返金の手続きを用意しています。

楽天キャッシュ:相続はできないが、相続人に返金

楽天キャッシュ利用規約の第6条では、楽天キャッシュの契約上の地位と権利義務は会員に一身専属的に帰属し、第三者に譲渡・貸与・相続させることはできないとされています。そのうえで、会員に相続が発生して残高があるときは、正当に相続・承継すると楽天が確認した人に、振込手数料を引いた額を返金すると決まっています。振込手数料が残高より多いときは返金されません。

基本型(楽天Edyからのチャージなど、ふだんは出金できないもの)も、プレミアム型(銀行口座から出金できるもの)も同じ扱いです。楽天ポイントは消えますが、楽天キャッシュは返金される、という違いがあります。

PayPay:PayPay残高は相続できる、PayPayポイントは対象外

PayPayは、利用者が亡くなったとき、相続人が書類を出せば、亡くなった時点のPayPay残高(PayPayマネー・PayPayマネー(給与)・PayPayマネーライト)を確認して、相続の手続きができると案内しています。

  • 手順1:残高の確認。法定相続情報一覧図の写し(または戸籍謄本一式)、亡くなった人名義の携帯電話の契約書・解約書・直近の請求書、相続人の本人確認書類のコピーを、ヘルプのフォームから送る(郵送も可)
  • 手順2:相続の手続き。相続の対象になる残高をメールで知らせてもらったあと、郵送で手続きする
  • 振込手数料300円が残高から引かれる
  • PayPayポイントは相続の対象外

PayPay残高とPayPayポイントは別物で、残高は返ってきますが、ポイントは消えます。

交通系IC:モバイルSuica・モバイルPASMOは、代理の人が払いもどし

モバイルSuicaは、会員本人が亡くなったとき、代理で払いもどしを受けたい人が、次の手続きをします。

  • 会員本人の死亡を証明する公的な書類(死亡診断書・死亡届記載事項証明書など。写し可)と、返金を受ける人の本人確認書類(写し可)を、モバイルSuicaサポートセンターに郵送する
  • 郵送したあと、申請フォームで「会員本人死亡」として申請する(フォームだけでは受け付けてもらえない)
  • 返金先の口座は、返金を受ける人の名義に限る。JRE IDと連携していれば、JRE IDの退会申請も別に必要

モバイルPASMOも、会員本人が亡くなったときは代理の人が、会員専用の退会・払いもどしフォームから申請し、サポートセンターから案内があったら、死亡を証明する書類と代理人の本人確認書類を郵送します。返金先の口座は、手続きをする代理人の名義で入力します。

カードのSuica・PASMOは、駅の窓口での払いもどしになります。記名式(My Suica・記名PASMO)は本人確認がいるので、亡くなった人のカードは、どんな書類がいるかを駅の窓口で確かめてください。Suicaの払いもどしは、残高から手数料220円を引いて、預り金(デポジット)500円を足した額です。

参考:楽天Edy「楽天キャッシュ利用規約」、PayPay ヘルプ「PayPay残高の相続手続きについて」、モバイルSuica よくあるご質問「死亡した会員の退会(払いもどし)手続きを知りたい。」、モバイルPASMO よくあるご質問「モバイルPASMO会員本人が亡くなった場合の手続きは?」、JR東日本「払いもどし|Suica(カードタイプ)」、資金決済に関する法律(e-Gov法令検索)、前払式支払手段に関する内閣府令(e-Gov法令検索)

なぜポイントは相続できないのか:中身は規約で決まる

民法では、相続人は亡くなった人の一切の権利義務を引き継ぎますが、「一身に専属したもの」は引き継ぎません(民法896条)。

税務大学校の研究論文(税務大学校論叢78号。国税庁の公式の見解ではありません)は、ポイントを「停止条件付き贈与契約による債権」と整理し、どんな権利があるかは規約(会社と会員の合意)で決まるとしています。共通ポイントの規約は「本人だけ」「人に渡せない」「会員でなくなったら消える」と決めているので、相続人には引き継がれません。マイルは、ANA・JALが規約で相続を認めているので引き継げます。

相続放棄をするなら、マイルや残高の手続きの前に相談を

相続放棄は、相続が始まったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に申し出ます(民法915条・938条)。その前に相続財産を「処分」すると、単純承認したものとみなされ、借金も含めて相続することになります(民法921条)。

マイルを自分の口座に移して使ったり、楽天キャッシュ・PayPay残高・交通系ICの返金を受け取って使ったりすることが「処分」にあたるおそれがあります。相続放棄をするかもしれないなら、手続きの前に弁護士・司法書士に相談しましょう(ANAのマイル相続は180日以内)。

参考:民法(e-Gov法令検索)、税務大学校論叢78号「企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について」

ポイントをもらったとき・使ったときの税金の扱いは、こちらにまとめました。

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家族が困らないために、生きているうちにやっておくこと

  1. 共通ポイントはためこまずに使う:亡くなれば消えるので、大きな残高を持ち続けない
  2. 家族に渡せるものは渡しておく:dポイントは会員どうしで譲渡、Vポイントは三井住友カードの家族ポイントで分けられる。Pontaポイントは、au・UQ mobileで請求をまとめた家族ならauの「Pontaポイントをおくる」で送れる
  3. マイルは特典航空券を家族のために使う:ANAは配偶者・同性パートナーと2親等以内の家族(最大10名、事前の特典利用者登録が必要)、JALは配偶者・同性パートナー・2親等以内の親族・義兄弟姉妹の配偶者が、会員のマイルで特典航空券を使える
  4. どこに何があるかを家族に伝えておく:使っているポイント・マイル・電子マネーのサービス名と会員番号を書き残しておく。楽天キャッシュ・PayPay残高・モバイルSuicaなどは返金してもらえるので、家族が知っていることが大事。パスワードまでは書かない。マイルはANA 180日などの期限があるので、家族が気づかないと消えてしまう

まとめ:ポイントは使い切る、マイルとプリペイド残高は家族に知らせておく

  1. 楽天ポイント・dポイント・Pontaポイント・Vポイント・PayPayポイントは、相続できずに消えると考えておく。dポイントは「相続事由が生じた場合」に会員資格を失うと規約に明記し、PayPayは「PayPayポイントは相続対象外」と案内
  2. ANA・JALのマイルは、法定相続人が手続きをすれば相続できる。ANAは亡くなった日から180日以内。クレジット機能付きのカードは先に退会する
  3. 楽天キャッシュ・PayPay残高・モバイルSuica・モバイルPASMOなど、お金でチャージした残高は、相続人や代理の人が手続きすれば返金される
  4. ポイントは法的には「停止条件付き贈与契約による債権」で、中身は規約で決まる。民法では「一身に専属したもの」は相続せず、ポイントは規約で本人限りになっている
  5. 相続放棄を考えているなら、マイルや残高の手続きの前に専門家に相談する(単純承認とみなされるおそれ)
  6. 生きているうちに、ポイントは使う・家族に分ける。マイルは特典航空券で家族のために使える。どこに何があるかを家族に伝えておく

※各社の規約・手続きは2026年10月10日時点の公式ページ・規約で確かめたものです。規約は変わることがあり、実際の扱いは各社が判断します。手続きの前に各社の窓口で確かめてください。相続放棄など個別のことは、弁護士・司法書士にご相談ください。