ふるさと納税の上限額の出し方|今年の上限を決めるものと、確定申告を選ぶメリット

【PR】この記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれています。

ふるさと納税の上限額の出し方|今年の上限を決めるものと、確定申告を選ぶメリット

ふるさと納税は、寄附した額から2,000円を引いた分が、所得税と住民税から控除される制度です。ただし、全額が控除されるのは上限額までです。上限を超えた分は、全額は控除されず、一部が自己負担になります。

上限額は、寄附した年(今年)の収入と控除で決まり、家族構成やほかの控除(扶養控除・iDeCo・住宅ローン控除など)で一人ひとり違います。この記事では、上限額の決まり方と、今年の上限の出し方、控除を受ける手続き(ワンストップ特例と確定申告)の違いをまとめます。

私は毎年、確定申告でふるさと納税の控除を受けています。ふるさと納税サイトが出す年間の証明書を使うようになってから、確定申告のほうがワンストップ特例より楽で、メリットも多いと感じています。そのメリットも書きます。

内容は2026年10月5日に総務省・国税庁のページで確認したものです。

ふるさと納税の控除のしくみ

寄附した額から2,000円を引いた分が、次の3つに分かれて控除されます。

控除計算上限
所得税(寄附額−2,000円)×所得税の税率総所得金額等の40%
住民税(基本分)(寄附額−2,000円)×10%総所得金額等の30%
住民税(特例分)(寄附額−2,000円)×(100%−10%−所得税の税率)住民税所得割額の2割

※所得税の税率は、2037年(令和19年)中の寄附までは、復興特別所得税を加えた率(税率×1.021)です。

この3つを合わせると、寄附額−2,000円の全額が控除されます。ただし、住民税の特例分には「住民税所得割額の2割」という上限があり、これを超えると全額は控除されなくなります。つまり、上限額はこの「住民税所得割額の2割」で決まります。

参考:総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」

上限額の計算式

上のしくみから、全額が控除される寄附額の上限は、次の式で決まります。

上限額 = 住民税所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税の税率 × 1.021)+ 2,000円

使うのは2つの数字です。

  1. 住民税所得割額:寄附した年の収入と控除で計算した、住民税の所得割の額(市町村民税と道府県民税の合計)です。実際の額がわかるのは、翌年6月ごろに届く「住民税の決定通知書」です
  2. 所得税の税率:寄附した年の課税される所得金額で決まります
課税される所得金額所得税の税率×1.021
1,000円〜194万9,000円5%5.105%
195万円〜329万9,000円10%10.21%
330万円〜694万9,000円20%20.42%
695万円〜899万9,000円23%23.483%
900万円〜1,799万9,000円33%33.693%
1,800万円〜3,999万9,000円40%40.84%
4,000万円以上45%45.945%

参考:国税庁「No.2260 所得税の税率」

計算の例

住民税所得割額が30万円、所得税の税率が10%の場合です。

  • 30万円 × 20% = 6万円
  • 90% − 10% × 1.021 = 79.79%
  • 6万円 ÷ 79.79% = 約7万5,200円
  • +2,000円で、上限額は約7万7,000円

住民税所得割額が50万円、所得税の税率が20%なら、同じように計算して約14万5,700円です。

※所得税の税率は、正確には住民税の課税所得から「人的控除差調整額」を引いた額で判定します。

手元の決定通知書でわかるのは「去年の上限」

今年6月ごろに届いた住民税の決定通知書の所得割額は、去年の収入と控除で計算された額です。この数字を式に入れて出るのは、去年の上限です。

今年の上限は、今年の収入と控除で決まります。去年と収入も控除もほとんど変わらない人なら、去年の上限を今年の目安にできますが、次のような変化がある人は、ずれます。

上限が変わる主なもの

住民税所得割額や所得税の税率が変わるものは、どれも上限を変えます。今年の上限を考えるときは、去年から次のものが変わっていないかを確かめます。

変わるもの上限への影響
収入(給料の増減・昇給・転職・退職、副業・事業・不動産の所得)収入が増えると上がり、減ると下がる
扶養控除(12月31日時点で16歳以上の扶養親族。16歳未満は対象外。19歳以上23歳未満は控除が大きい「特定扶養親族」)扶養親族が増えると下がる。子どもが16歳になる年は下がる
配偶者控除・配偶者特別控除(配偶者の収入で変わる)控除が増えると下がる
社会保険料控除(健康保険・年金などの保険料)保険料が増えると下がる
iDeCo(小規模企業共済等掛金控除。掛金の全額が控除)始めた・掛金を増やすと下がる
生命保険料控除・地震保険料控除控除が増えると下がる
医療費控除・セルフメディケーション税制控除を使うと下がる
住宅ローン控除所得税から引ききれない分が住民税から引かれるので、影響することがある
株の売却益・配当を確定申告した場合申告した分で変わることがある
税制改正(基礎控除・給与所得控除などの見直し)前の年の決定通知書とずれる

参考:国税庁「No.1180 扶養控除」、国税庁「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」

iDeCoは2026年12月の掛金から上限が上がります。掛金を増やすと、ふるさと納税の上限はさらに下がります。

関連記事iDeCoの改正まとめ|2026年12月から掛金の上限が月6.2万円に、受け取りは「5年ルール」が「10年ルール」に2026年12月の掛金から、iDeCoの拠出限度額が上がります。企業年金がない会社員は月2.3万円から6.2万円に、自営業は7.5万円に。70歳まで加入できるようにもなります。増やしたときに税金がいくら減るか、掛金を増やす手続き(年1回の制限の例外、e-iDeCo)、12月の掛金の控除が翌年分になること、ふるさと納税の上限への影響、退職金と受け取るときの「5年ルール」が「10年ルール」になったことを1級FPがまとめました。

今年の上限の出し方

  1. 今年の見込みの収入と控除で、シミュレーションする:ふるさと納税サイトのシミュレーションが便利です。ふるなびの「控除上限額シミュレーション」には、給与収入と配偶者の有無だけで目安が出る簡易版と、保険料やほかの控除まで入れられる本格版があります。今年の上限を出すなら、本格版で今年の見込みを入れます
  2. 年末に確かめ直す:会社員なら、12月の年末調整のあとは今年の収入と控除がほぼ固まります。12月の給与明細などで見込みとのずれを確かめてから、残りの寄附額を決めると安心です(ふるさと納税は12月31日の寄附までがその年の分です)
  3. ぎりぎりを狙わない:見込みには幅があるので、少し低めから寄附しておきます。上限を超えた分は、大半が自己負担になります(下の「上限を超えたらどうなる?」)

上限を超えたらどうなる?

上限で止まるのは、住民税の特例分だけです。超えた分も、所得税と住民税の基本分はそのまま控除されます。超えた分のうち自己負担になるのは「90% − 所得税の税率 × 1.021」です。

所得税の税率超えた分のうち自己負担上限を1万円超えたとき
10%約8割(79.79%)約8,000円
20%約7割(69.58%)約7,000円
33%約6割(56.307%)約5,600円

超えた分も全部が自己負担になるわけではありませんが、所得税の税率が10%の人なら約8割、20%の人でも約7割が自己負担です。上限を超えた分は、ほぼ自分のお金で寄附したのと同じと考えておくと安全です。

ふるなびの控除上限額シミュレーション

控除を受ける手続き:ワンストップ特例と確定申告

ワンストップ特例確定申告
使える人確定申告をしなくてよい給与所得者などだれでも
寄附先の数5団体まで制限なし
手続き寄附した自治体ごとに申請書を出す翌年の確定申告で、寄附金控除を入れる
期限寄附するときに申請書を出す(内容が変わったときの届け出は、寄附した翌年の1月10日まで)寄附した翌年の3月15日まで
控除のされ方全額が翌年度の住民税から所得税(還付)と翌年度の住民税から

気をつけたいのは、ワンストップ特例を申請していても、確定申告をすると特例は使われないことです。医療費控除、住宅ローン控除の1年目、副業などで確定申告をする人は、ふるさと納税の分も確定申告に入れる必要があります。こうした人は確定申告一択で、ワンストップ特例の申請書を出しても二度手間になるだけです。医療費控除を使うかどうかは年末までわからないことも多いので、使うかもしれない年は、はじめから確定申告のつもりでいると申請書の手間が省けます。また、6団体以上に申請した場合も特例は使えません。

参考:総務省「ワンストップ特例を申請する皆様へ」

確定申告を選ぶメリット

確定申告は面倒なイメージがありますが、ふるさと納税だけなら、いまはワンストップ特例より手間が少ないこともあります。メリットは次の3つです。

  1. 年間の証明書1つで済む(マイナンバーカードなら自動で入る)
  2. 自治体ごとの申請がいらない・5団体の制限もない
  3. 所得税の分が早く戻ってくる

年間の証明書1つで済む(マイナンバーカードなら自動で入る)

国税庁が指定した「特定事業者」のふるさと納税サイトは、1年分の寄附をまとめた「寄附金控除に関する証明書」を出せます。これを使うと、寄附ごとに自治体から届く「寄附金受領証明書」の代わりになります。

ふるなびも特定事業者で、証明書は寄附した翌年の1月10日以降に発行されます。e-Taxで確定申告をするときの使い方は2つです。

  • マイナポータル連携(マイナンバーカードがある人):ふるなびの証明書を受け取る「民間送達・e-Tax連携サービス」をマイナポータルとつないでおくと、確定申告書等作成コーナーで申告書を作るときに、証明書の内容が自動で入ります。XMLをダウンロードする必要もありません。マイナポータル連携に対応しているほかの控除証明書(生命保険料など)も、同じように自動で入ります
  • XMLを読み込ませる:マイページから証明書をXML形式でダウンロードし、確定申告書等作成コーナーで読み込ませます。寄附の内容を1件ずつ入力しなくて済みます

どちらでも、寄附ごとの「寄附金受領証明書」を見ながら入力する必要はありません。

参考:国税庁「ふるさと納税に係る寄附金控除に関する証明書等について」、国税庁「マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧」

自治体ごとの申請がいらない・5団体の制限もない

ワンストップ特例は、寄附した自治体ごとに申請書(とマイナンバーの確認書類)を出す必要があり、寄附先が多いほど手間が増えます。引っ越しなどで内容が変わったときは、翌年1月10日までに届け出も必要です。

確定申告なら、自治体ごとの申請はいりません。寄附先の数に制限もないので、いろいろな自治体に寄附したい人にも向いています。所得税の分は確定申告のあとに還付されるので、控除されたことも確かめやすいです。

所得税の分が早く戻ってくる

ワンストップ特例では、所得税の分も含めて、全額が翌年6月からの住民税で少しずつ減ります。確定申告なら、所得税の分は還付として、まとめて早く戻ってきます(住民税の分は、どちらも翌年6月からの住民税で減ります)。

会社員など、確定申告で税金が戻ってくる人(還付申告)は、確定申告の期間(2月16日から)を待たずに寄附した翌年の1月1日から申告できます。e-Taxで出した還付申告は、通常3週間程度で還付されます。年間の証明書が出たら1月のうちに申告すれば、2月ごろには所得税の分が戻ってくる計算です。

※自営業などで確定申告で税金を払う人は、還付ではなく、払う税金が減る形になります。

参考:国税庁「No.2030 還付申告」、e-Tax「e-Taxを利用して提出された申告書の早期還付について」

ふるなびの「寄附金控除に関する証明書」の案内

ふるなびでは、寄附の支払いにふるなびマネーも使えます。しくみと使い方は、こちらにまとめています。

関連記事ふるなびマネーとは?チャージで4%増量される仕組みと使い方|ふるさと納税の寄附に使えるふるさと納税サイト「ふるなび」の決済サービス「ふるなびマネー」の仕組みと使い方。事前エントリーしてチャージすると4%増量されるキャンペーン、初めての人向けのキャンペーン、有効期限やキャンセルできないことなどの注意点を、1級FPがまとめました。

1級FPとして思うこと

ふるさと納税でいちばん気をつけたいのは、上限を超えることです。超えた分も所得税と住民税の基本分は控除されますが、自己負担は所得税の税率が10%の人で約8割(1万円超えて約8,000円)。少し超えただけでも、そのぶんの負担はしっかり出ます。

反対に、上限より少なめに寄附しても損はしません。控除が上限まで届かないだけで、寄附した分は2,000円を除いて控除されます。今年の変化(収入・扶養・iDeCo など)を入れて見込みを出し、少し低めから寄附して、年末に確かめてから残りを決める。上限ぎりぎりを狙わないのが、いちばん確実です。

手続きは、ワンストップ特例が「確定申告をしなくていい」ぶん楽に見えますが、医療費控除などでどのみち確定申告をする人には、ワンストップ特例は二度手間で、やるだけ無駄です。寄附先が多い人も、確定申告にまとめてしまうほうがすっきりします。年間の証明書を出せるサイトで寄附をしておくと、翌年の確定申告もずっと楽になります。

※制度の内容は2026年10月5日時点の総務省・国税庁のページの内容です。上限額の計算は目安で、実際の控除額は収入・家族構成・ほかの控除などで変わります。くわしくはお住まいの市区町村・税務署にご確認ください。